RLIsphere A1c カラム
当研究所では、これまで、国内外におけるヒトHbA1c測定の標準化作業に取り組んできました。糖尿病関連の動物実験において、血糖管理指標としてHbA1cが測定されていますが、測定方法の違いにより実験によって測定表示値が異なり、それぞれの実験に於ける測定値を共通の指標として評価できないのが現状です。そこで、ヒトHbA1c測定の標準化手法を参考に、実験動物におけるHbA1c測定の標準化に関する検討を開始し、ラットHbA1cを精密に分離できる性能を持つ、強酸性陽イオン交換樹脂を充填したHPLC用カラムであるRLIsphere A1cを開発しました。
ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは
HbA1cは、ヘモグロビンにグルコースが非酵素的に安定に結合した修飾ヘモグロビンです。HbA1cは血糖値と正の相関関係を示し、糖尿病の診断、疫学調査、検診などで重要な検査です。HbA1cは血糖値以外に赤血球寿命の影響を受けること、変異ヘモグロビンを含む試料では正確な測定値が得られない可能性があることなど注意が必要です。
カラム仕様
イオン交換基 | 強酸性陽イオン交換体 |
カラムサイズ | 4.6×100 mm |
使用温度範囲 | 5 ~ 60 ℃ |
使用pH範囲 | 2 ~ 12 |
使用耐圧上限 | 16 MPa |
本カラムは研究用としてのみ使用いただけます |
価格
カラムサイズ | 商品番号 | 価格 |
4.6 mm × 100 mm | 111046100 | 150,000 |
分析例
1)SDTラットHbA1cの分離
成熟ラットは多種のヘモグロビンを有し、固体内に約10種類のヘモグロビンを持つことが知られています。ピーク番号1は、主要なヘモグロビン画分のβ鎖N末端にグルコースが安定に結合したヘモグロビンであることを確認し、ラットのHbA1cと定義しました。
2)ヒトHbA1cの分離
本カラムは、ヒトのヘモグロビン試料でもHbA1cを精密に分離し、変異ヘモグロビンを含む試料であっても、良好な分離が可能です。HPLC法で異常ピークが出現した場合、他の検査値との整合性が得られない場合等では、試料の解析にもお使いいただけます。
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