当研究所ではラット血液中グリコヘモグロビンの受託分析を行います。
概要
グリコヘモグロビンとは、血液中で非酵素的にグルコースが結合したヘモグロビンをいい、ある期間の平均的な血糖値を推測することができます。持続的な高血糖状態の指標として重要な検査です。
ラットグリコヘモグロビン分析法の紹介
陽イオン交換クロマトグラフィー法により、ヘモグロビン分子の電荷の違いを利用して種々のヘモグロビンから未修飾α鎖とN末端にグルコースが結合したβ鎖から成るグリコヘモグロビンを精度よく分離し、全ヘモグロビンに対するグリコヘモグロビンの割合(面積%)を測定します。
ラット血液は低イオン強度条件下では結晶化(Crystallization)するため安定な状態での保存が困難でしたが、本法では試料溶解液の工夫によりラットヘモグロビンを安定的に保存可能です。
参考資料
糖尿病診断
糖尿病モデル動物は、発症様式がモデルによって大きく異なることから、糖尿病の絶対的な診断基準は定められていません。血糖、HbA1c、インスリン値、脂質、血圧等、多くのデータにより解析されています。
ラットグリコヘモグロビン測定の現状
学術誌論文15編におけるラットHbA1c値は、報告によってラットHbA1c値が異なっています。
参考文献
1) Tadao HOSHINO (2013),Standardization of rat glycohemoglobin,J. Toxicol. Sci.,38 Supplement,S 366
2) 日本糖尿病・肥満動物学会「実験動物での糖尿病診断ワーキンググループ」八木橋操六(委員長) (2010),実験動物における糖尿病の診断基準について,糖尿病,53,379-384