GA測定標準化

グリコアルブミン(GA)測定の標準化

グリコアルブミン(GA)は血漿タンパクであるアルブミンにグルコースが修飾後結合した糖結合タンパク質です。GAはヘモグロビンA1c(HbA1c)より短期の血糖コントロール状態を反映する指標として臨床で測定されています。

GAの日常測定法にはHPLC法や酵素法などが用いられていますが、原理や測定対象物質が異なります。将来的に生ずる可能性のある測定値の装置間差、施設間差などの混乱を避けるために、化学量的に裏付けられる標準測定法を確立する必要があると考えられ、2002年5月、日本臨床化学会 糖尿病関連指標専門委員会においてプロジェクト”グリコアルブミン測定の標準法の確立”が発足しました。

GAの有用性は明らかですが、測定については必ずしも理論的に行われていないため、測定機器および施設間誤差があります。そのため、GAの測定実態調査として、2003年1月に11施設でプレリミナリサーベイを実施、2003年10月に115施設参加の全国サーベイを実施しました。プレリミナリサーベイ、及び全国サーベイの結果、HPLC法と酵素法は共に再現性は良好で、現状においてその測定値はほぼ一致していました。しかし、今後の課題として、測定対象とするGAの定義及びキャリブレーターの値付けのための基準測定法の確立、さらに酵素法におけるアルブミン測定法の標準化が必要と思われます。