JSCC/JDS基準測定操作法(KO500法)
KO500法は、イオン交換モードを用いたHPLC法で、血中ヘモグロビンを細分画し、St-HbA1C(ヘモグロビンのβ鎖のN末端にグルコースが1個結合したヘモグロビン)を測定する方法です。KO500法は、HbA1C測定体系においてJSCC基準測定法として位置付けられ、標準物質の値付けおよび日常検査法の評価などに用いられる他、標準物質の性状確認にも用いられています。
1)KO500法の分離
KO500法では、不安定型HbA1C、カルバミレイテッドHb、アセトアルデヒド結合Hb、グルタチオン結合Hb、HbFも検出することができ、これらの成分は、St-HbA1Cと良好な分離を示します。
2)St-HbA1C分画の質量分析 KO500法より分取したSt-HbA1C分画について質量分析を行ったところ、St-HbA1C分画は、ヘモグロビンのβ鎖にグルコースが1個結合したものより成ることが確認されています。
IFCC基準測定操作法
IFCC法では、HbA1Cの定義を、ヘモグロビンのβ鎖N末端バリンのアミノ基にグルコースが共有結合したすべてのヘモグロビンとしています。この定義に従い、エンドプロテアーゼGlu-Cによりヘモグロビンを糖化ヘキサペプチドに分解し、それをLC/MSまたはCE(キャピラリー電気泳動法)で定量します。この図はヘモグロビンをGlu-Cにより消化し得られたβ鎖N末端ヘキサへプチド及び糖化ヘキサペプチドです。
IFCC法は下図のフローチャートの手順で測定されます。
<参考文献>
1) Wieland Hoelzel, Kor Miedema, Andreas Finke, David Goldstein, Ian Goodall, Jan-Olof Jeppsson, Uwe Kobold, Randie Little, Theo Penders, Kenji Shima, Cas Weykamp(1996) Development of a Referrence System for the International Standardization of HbA1c/Glycohemoglobin Determinations. J Int Fed Clin Chem 9(2):62-4, 66-7
2) 梅本雅夫(2002) HbA1cの国際標準化を目ざすIFCC法. 臨床検査 46:729-734