はじめに

グリコヘモグロビンは、糖尿病における血糖管理の指標として、1980年代初頭に測定されるようになりました。当時の測定範囲は、測定キットの能書記載に任され、統一されていませんでした。また、測定対象中に不安定型グリコヘモグロビンが含まれており、測定装置間差が大きいことが指摘されましたが、メーカーの自発的問題点解決策は図られていませんでした。

1993年3月、日本糖尿病学会(JDS:Japan Diabetes Society)”糖尿病関連指標の標準化に関する委員会”の前身である”グリコヘモグロビンの標準化に関する委員会”が発足し、本邦のグリコヘモグロビン測定の標準化作業は学会活動として始まりました。発足当初は施設間差を無くすことに目標がおかれました。

一方、根拠ある測定法を目標に、日本臨床化学会(JSCC:Japan Society of Clinical Chemistry)での活動も開始されました。関東支部標準化委員会が測定法自体の標準化を開始し、1995年発足した糖尿病関連指標委員会”HbA1C標準化プロジェクト”と一体で検討しています。現在では、日本糖尿病学会”糖尿病関連指標の標準化に関する委員会”との共同でグリコヘモグロビンの標準化の他にも、血糖自己測定、グリコアルブミン測定など糖尿病関連指標の検討が行われ、その途中経過は機会のあるごとに報告されています。グリコヘモグロビン標準化は、国際臨床化学連合(IFCC: International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine)や NGSP(National Glycohemoglobin Standardization Program)とも連携をとりながら進められています。

世界的に見ると、グリコヘモグロビンのDCM(Designated Comparison Method)として米国のNGSP, 日本のJDS, スウェーデンのMono-Sが存在します。NGSPは世界的レベルでの標準化に寄与していますが、Mono-S同様に数値が化学的根拠がある実濃度を示しません。各DCMの表示値は、測定対象基盤が異なるので、同一試料を測定しても同じ値が得られません。
1994年に設立されたIFCCグリコヘモグロビン標準化作業部会は、一次基準物質と基準測定法を備えたグリコヘモグロビン測定体系を提案しました。この測定体系はIFCCで承認され、各DCMのアンカーとして認められています。これからの世界規模の標準化作業として、IFCCの測定体系をいかに混乱なく取り入れていくかが課題となっています。

<参考文献>
1) 星野忠夫(2004) 糖尿病関連検査の標準化 現状と問題 -国際標準化との関連- HbA1C. 第47回日本糖尿病学会年次学術集会 イブニングセミナー12

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