設立趣旨

設立趣旨(目的、現状の問題点と背景、申請に至るまでの経緯)を定款よりご紹介いたします。

(1)目的
For the best QOL(Quality-of-life)
この法人は、ヒトに対して、病態が進展する機序の解明及び健康状態を維持するため
の生活習慣を改善する事業を行い、QOL(Quality Of Life:生活の質)の向上や健康寿命
の延伸に寄与することを目的とします。

(2)現状の問題点や背景
①生活習慣病の予防と管理
寿命の伸び、食生活の欧米化等に伴い、生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症等)
の患者や、その予備群であるメタボリックシンドロームの該当者が増加しています。生
活習慣病には目立った自覚症状がなく、自覚症状が現れる頃にはすでに重症化している
場合も多く、その場合は薬を投与しても完治させることは難しくなります。
一方で医療空白地域の住民や多忙な生活者等にとっては、医療・保健機関への通院負
担も大きくなっています。
また、発症後の医療費が高額なだけでなく、病気に伴う合併症の後遺症や要介護状態
になるなど、本人や家族のQOLを低下させます。

②医療機器への期待と日常生活での医療計測器
医療機器が実際に患者の診断・治療に使用され、役立つことによって、健康寿命の延伸、
患者のQOLの向上が図られるほか、医療機器産業の国際競争力強化が期待されています。
さらには、医療機器分野のみならず、創薬・診断分野や再生医療分野の技術においても、健
康で安心して暮らせる社会の実現に貢献することが望まれています。
その中で、日常生活で使用することが可能な家庭用医療機器(血圧計等)、健康測定機
器(体重計、体脂肪計等)、運動測定機器(活動量計等)、生体計測機器(血圧計、血糖
計、心電計等)の計測値の情報が健康維持・増進・発症予防のために活用できます。
そこで、血圧・心拍・心電図・運動強度などがひとつの機器で計測可能な複合測定機
器や血糖・血圧などを分単位で連続して計測できる機器が研究開発され製品化されるこ
とが望まれています。

③PHR(Personal Health Record)システム
PHR(Personal Health Record)システムとは、「個人が自らのQOLの維持や向上を目的
として、自ら健康情報を収集・保存・活用する仕組み」です。
日本政府はこれまでの治療に重点を置く医療から、疾病予防重視への医療と方針を大
きく転換しました。IT戦略本部で「新たな情報通信技術戦略」における医療分野の計画
のひとつである「どこでもMY病院」(自己医療・健康情報活用サービス)の基盤となる
システム構築をめざしています。
これは、個人が自らの健康増進を図り、また個人の状態に応じた適切な健康サービス
を提供していく上でも非常に有益なものと考えられています。現在、クラウドを活用し
た社会的課題解決型新サービス実証事業の中で、この情報を研究分野に有効に生かせる
ように進められています。

④生体内物質の測定法
健康診断や病院での血液や尿等を用いた臨床検査による検査データは、個人の健康管
理、医学の基礎データ、医学研究の基本情報です。しかしながら、医療計量や医療検査
機械システムにより得られる検査データは、測定機器、測定方法、検査機関において相
互に互換性が確保されていないのが現状です。このため、医師が診療で用いる臨床検査
データの基準範囲が病院ごとに異なる、あるいは個人の健康診断や臨床検査データの継
続性が保てないなどの問題が存在し、膨大な臨床検査データが有効に活用されていない
と考えられています。
※ 血糖管理指標測定法は種々開発されたが、1980年代では測定法間の格差が大きく、
同じ血糖管理指標といえども測定法が異なると患者の血糖管理状態をひとつの土俵
では論議できない事態があった。現在でも後進・新興国で同様な事態が生じ、先進
国においても測定の維持管理に問題を残しており、世界的に医療での課題となって
いる。また犬・猫などのペット動物やマウス・ラットなどの実験動物ではヒトの糖
尿病に匹敵するモデルはなく、またヒトの糖尿病に相当するような糖尿病基準がな
いため、いまだグルコース(ブドウ糖)の濃度を測る血糖値測定に頼っている。

⑤現在の施設の状況
病態解析研究所は、1980年代より「糖尿病血糖管理に資する指標の維持管理」に関し
ての研究・開発及び学術・標準化活動を行ってきました。それらの活動を通じて得られ
た有形・無形の知的財産を所持しています。

【有形知的財産】
当研究機関は、国際・国内において「HbA1cの基準測定施設」に認定されています。
※ HbA1cの基準測定施設とは、HbA1cの標準物質に値を付け測定機関の誤差がでない
よう、HbA1cの国内・国際基準法を維持管理するものとして認定された施設。

  • 国際臨床化学連合(IFCC:International Federation of Clinical Chemistory)の「HbA1c
    基準測定施設」
  • 一般社団法人臨床検査基準施設機構(JRMI)の「HbA1c実用基準認定施設Ⅰ種」

【無形知的財産】
1979年にHbA1c測定法の基礎となる「St-GHbの分離成功」(1981年臨床化学シンポジ
ウム第21集論文:添付)を皮切りに、この活動のリーダーとして国内外に実績を残して
います。

  •  1997年にIFCC-WG(Working Group)との国際共同実験を開始し、以後IFCC基準
    測定法の維持管理と国際間の整合性の確認を目的として、毎年、国際基準施設との
    共同実験でIFCC値とJDS値とを測定。
  •  日本糖尿病学会(JDS)及び日本臨床化学会(JSCC)にて”グリコヘモグロビン測
    定の標準化”に参画し、精密分離HPLC法(KO500法)を開発する。2001年に、HbA1c
    測定体系の基準測定操作法にKO500法が認定される。
  •  2003年から現在に至るまで、4施設(検査医学標準物質機構、慶応義塾大学医学部
    中央臨床検査部、日本大学医学部附属板橋病院臨床検査部、病態解析研究所)にお
    いて年2回継続的に共同実験を行い、JDS/JSCC基準測定操作法(KO500法)の整
    合性を維持。

2.申請に至るまでの経緯
設立代表者星野忠夫は、2000年より国内基準法とされたSt-GHbA1c測定法(KO500法)を
開発し、国内及び国際的血糖管理指標の標準化と測定法の維持管理を個人で行っています。
さらに継続したいと考えていますが、任意団体としての活動では個人の負担が非常に大き
く限界があるため、幅広く寄付やボランティアを受け入れられる体制を整えたいということ
でNPO法人への法人化を検討し、申請に至りました。

平成25年 1月31日
特定非営利活動法人病態解析研究所
設立代表者 星野 忠夫

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